DJIと実現する精密農業 ―UAV 技術を利用した持続可能な農業の進化

ドローンメーカとして世界をリードするDJIは、カンザス州立大学との精密農業へのドローン技術活用および持続可能な農業の実施と農業産出量の増大に貢献するため、作物ストレスのモニタリング、空撮画像の提供、精密な農薬散布、農業利用を目的とした次世代無人航空機システムの開発と評価等を含めた農業調査の共同研究を推進している。

生育状況の把握

農業従事者は、農作物がストレスを受けていないか、病気になっていないかを確認するためには、これまでは農地を歩き回って手作業で確認するしか方法がなかった。確認には時間も手間もかかり、作物が育って密集してくると、大きな負担になっている。しかし、DJIのPhantomシリーズを使えば、こうした確認作業は短時間でできるようになる(写真1)。

写真1 PHANTOM4

Phantomシリーズは、持ち運びやすく、飛行時間は業界トップクラス。また、12メガピクセルの静止画と4K映像を記録できる本格的なカメラを搭載しており、鮮明で詳細な画像を簡単に撮影できるため、Phantomシリーズで空撮すれば、作物の分析に必要なデータを簡単に収集することができる。空撮の赤外線画像技術は、今や農作物の管理に欠かせないものになってきている。

苗床や温室の管理は、以前は手作業が当たり前だった。しかし、赤外線画像技術を使って作物を解析すれば、作物に直接触れることなく観察でき、病気の発見にも役立つ。FLIR社とDJIが共同で開発したZenmuse XT赤外線カメラを搭載したInspireを使えば、農作物の重要なデータを効率よく収集できる。

灌漑管理

水を最適に利用すること。それは、どの国の農業従事者にとっても大きな課題である。水は貴重な資源の1つであり、水やりは、多すぎても少なすぎても収穫量に影響するため、水の管理には緻密さが求められる。今日の大規模農場は非常に広大で、作物の水やりには、複数の灌漑設備が使われている。

たとえば、とうもろこしは一定の高さまで育ったら、大量の水やりが必要になる。栽培に手が取られてしまう忙しい時期でも大量の水やりに対応するため、灌漑設備のメンテナンスは欠かせない。DJI Inspire XTの赤外線機能を使えば、灌漑作業や水の貯留をより正確に管理できる(写真2)。

写真2 INSPIRE XT

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FLIR社が誇る業界トップクラスのTau 2カメラを装備したInspire XTを使えば、農業従事者は農地や田畑の状態をより詳細に把握できるため、どれくらい水やりをすればよいかを把握でき、正確な意思決定に役立つ。

農業研究

農学者は、食料の生産、より健康的な食べ物の開発、農業への環境問題の対応、植物エネルギーの抽出方法など、喫緊の課題に取り組むため、様々な科学技術や知識を駆使している。

農学者は、多様な植物と環境のデータをもとに作物の輪作、灌漑排水、植物育種、植物生理学、土壌分類、土壌肥沃度、雑草防除、害虫・有害生物駆除といった専門分野の研究を進めている。空撮カメラは赤外線画像技術と組み合わせることで、肉眼では見ることのできない作物の状態を可視化できる。

ドローンは作物調査を毎週、毎日、必要とあれば 1時間ごとに行える。ドローンで撮影した動画をタイムラプスで確認すれば、作物の変化は一目瞭然。農作物の生育状況を把握するのに最適なソリューションである。

積載量が大きいDJIのMatrice 600を使えば(写真3)、調査や研究で使用する様々なサードパーティーのセンサや、マルチスペクトルからハイパースペクトル、フルフレームカメラを機体に積載できる。

写真3 MATRICE600

この機体に新しいA3フライトコントローラーを搭載すれば、センチメートル単位でのホバリング精度を実現するDJIの D-RTK GNSSシステムにアップグレード可能。

サテライトとIMUシステムを各々2個追加すると、合計6重の冗長性をもたせることもでき、飛行の信頼性が常に担保される。DJI SDKを使って、標準飛行から完全な自律飛行へカスタマイズすれば、調査を自動化することもできる。さらに、最大5機の機体を同時飛行できるベースステーションを使用すれば、広大な農場でも短時間に調査が可能だ。

農薬散布

農作物の健康と収穫を維持するため、農業従事者は複数の植物防疫策と施肥法を運用している。何十年もの間、農業従事者は時間と労力をかけて手作業で農薬を散布するか、広い農地や田畑の場合は、農薬散布のために有人ヘリコプターを使う必要があった。手作業では時間も労力もかかり、有人ヘリコプターを使うとコストが非常にかかるため、どちらの方法も農業従事者にとって理想的なやり方ではない。

しかし、DJIのAgras MG-1を使うと(写真4)、農作物や植物の施肥を効率化できる。機体は10kgの液体を運搬でき、わずか10分で4,000~6,000平方メートルの面積をカバーすることが可能であり、手作業に比べ40~60倍のスピードで農薬を散布行うことができる。

写真4 AGRAS MG-1

紹介ビデオ:「DJI Stories―世界を変える農業」

本機体は、ほこりや腐食を防ぐように設計されており、散布作業が終わったら機体を洗浄できる。本機を使うことで、散布エリアを最大限に拡大でき、作業負担は大幅に削減できる。

※スマート農業バイブル ―『見える化』で切り拓く経営&育成改革より転載

◎価格
製品価格はウェブサイトよりご参照ください。
https://enterprise.dji.com/jp/products/drones

◆相談先
DJI JAPAN 株式会社
http://www.dji.com/jp

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