機械化が進んでいる水稲農業ではあるが、水管理は人が行うための圃場周りの負担はまだまだ多い。水稲農家の大規模化は進む一方であり、飛び地での圃場を請け負うことも負担の要因となっている。
作業に一番時間を費やすといわれている水管理を機械化ができれば、農家さんの負担もかなり軽減される。
それらを可能にするのが、水管理を遠隔で行うことができ、また水位調整をスマートに行えるスマート水田サービス「paditch(パディッチ)」である。
農家の悩みを改善
数年前まではITに無頓着な農家さんも多かった。しかし、作業日誌をスマートフォンから写真付きで入力したり、ハウス内の環境情報を取得したりと農業でもデータの活用が活発に行われるようになってきている。
農家の役に立つサービスはないだろうかと考えていた。水稲農家向けに訴求効果のあるサービスを考えたときに、水管理の圃場周り作業が負担になってきていることに着目した。
お米の品質に影響のあるファクターとしてはもちろん施肥や追肥などの土作り、防除もあるが、高温障害に対応する水管理も重要である。篤農家であれば、なお水管理にこだわっている。
ところが、水管理の現場は用水路から水を引き入れる木の板や鉄の板の抜き差しであったり、水を排出する所の木の板の調整であったりと単純作業を繰り返すことになる。
また、水管理する期間は4~5ヵ月と長く深夜や早朝の作業となっている。昨今は大規模化が進んでいるため、飛び地での圃場の水周りに片道車で15分の距離でも通っている農家も出ている。
この負担を減らしお米の品質向上ができる水管理を提供するサービスとして開発をしたのがpaditch(パディッチ)である。
paditch(パディッチ)の特長、優位性
過去には、大がかりな装置で水の入水を自動化するような製品もあったようだが、paditch(パディッチ)は木の板に変わる簡単な製品である。また、製品の提供ではなく品質の向上が行える水管理データ(指導)を提供することが価値である。
技術特徴は次の5点である。
➀遠隔での開閉指示が可能(IoT 技術を用いインターネット環境に繋ぐため東京に居ながらにして富山の圃場の水の管理ができる)
➁タイマーでの開閉指示(深夜や早朝に一斉に開閉することができる)
➂水位での自動開閉(稲の生育に応じて水位を設定することで水門が開閉する)
➃アラート機能(もぐらやねずみが畦に穴を開け水が漏れていたなどの異常時にアラートを促す)
➄気象条件などから適切な水管理方法を指導
開発事例・ユーザーメリット
IoT 技術を用いることで様々なモノがインターネットに接続できる時代となった。今回はその技術を水門に導入することで、IoT 水門が完成した。
水門の開閉のみならず、センサも制御することで圃場ごとの環境情報もあわせて取得することで営農指導にも活用できる。スマートフォンやパソコンから圃場の状態が管理でき、遠隔指示を行うことができる。
対象としているのは15ha以上の作付面積をもつ大規模農家である。圃場枚数として56万枚と推定している。
富山県を中心に展開を行うが、全国の販売代理店と連携しながら全国展開を考えているそうだ。用水路の水が少ない地域では、川上の農家が水をとると川下に水が流れてこないという問題を抱えている。
当社のサービスを河川沿いすべてに導入いただくことで、川上から順に自動開閉を行うことができ効率のよい水の受け渡しが可能となるため、川下の農家にも喜ばれることとなる。
圃場枚数が多い農家や農業法人では水管理のためにアルバイトを雇用しているケースも多く、短期雇用もなかなか難しくなってきている。そんな農家や農業法人にも当社のサービスpaditchは役に立っている。
今後のロードマップ
今後は、ドローンを用いて空から撮影することでわかる倒伏の偏りや、病害虫の偏りの情報と連携することで品質の統一を図る営農指導を行っていく予定である。
また将来的には、すべてのデータを分析し人工知能を活用しながら農業経営に対して、アドバイスを促していく。それによるさらなるスマート水田を実現していきたいと考えている。
※スマート農業バイブル ―『見える化』で切り拓く経営&育成改革より転載
◎価格
・シーズン利用時のみ料金発生 約 9,000 円/月×圃場×設置枚数(利用初年度~3 年目)
4年目以降・・・約4,000 円/月×圃場×設置枚数
※本価格は想定価格となりサービス提供時に変更となる可能性もございます。
募集中
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◆相談先
株式会社 笑農和
TEL:076-456-1198
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