GPS-Lineは株式会社ニコン・トリンブル社製CFX-750に対応した走行ライン自動作成ソフトウェアである。GPSガイダンス、自動操舵機器は、走行重複幅の減少や作業の再現性、人員の削減等多くの効果を生むものである。しかし、現在は直線のみの走行ライン表示となり、高度な作業(1本抜き、2本抜き等)といった作業を行うことが困難である。
そこで、当社は圃場別、農作業機器別に最適な走行ラインを自動作成するソフトウェアを開発した。これにより、従来以上にGPSガイダンス機器の機能を発揮することが可能となる。
GPS-Line 開発経緯
1.ガイダンスシステム・オートステアリングシステムの導入状況
ガイダンスシステムは、測位情報(GPS:Global Positioning System、GLONASS:Global Navigation Satellite System等)を用いて、設置されている作業機自身の位置を把握し、走行経路を可視化する機材である。また、オートステアシステムは、同機器から得られる位置情報を元に走行経路をオペレーターがハンドル操作を行わずとも自動的に操舵を行う機材である。
これらの導入については、5 社((株)クロダ農機、ジオサーフ(株)、(株)トプコン、(株)ニコン・トリンブル、(株)IHIスター)の出荷台数調べの調査が北海道で行われており、図1に示すように毎年導入数が拡大している。下記にその導入効果の事例を挙げる。
2.ガイダンスシステム、オートステアリングシステムの利活用
ガイダンスを利用する効果は、次のとおりである。
➀重複幅の減少による単位時間あたり作業面積の増加。
➁走行した路線の隣を路線端で切り返しを行いながら随時作業する順次作業ではなく、一筆書きのような1本抜き、2本抜きの走行による作業時間の削減
➂ガイダンスとオートステアを併用することで、直進部分のハンドル操作を自動制御することが可能となる。
これにより、オペレーターの負荷軽減に加え、畝立て、側条施肥、播種、移植等の精度向上による後作業の効率化にもつながる直進性の向上等が挙げられている。また、夜間作業に至った場合にも日中と同等の精度の高い作業機走行が実現されることとなる。
オートステアリングも併せて用いることで作業者の運転負担が軽減されるほか、直線部において、オペレーターが作業機の操作を行わなくてよいことから、水田移植作業時の苗補給人員削減も生じるといった効果も発現する(図2)。
3.現状の課題
現状のガイダンスでは、圃場内の作業機幅に合わせた直進部分の路線のみが画面上に表示される。この表示されている路線を随時、作業者が確認し作業を行うものである。そのため、1 本抜き、2 本抜きといった走行を行うことが困難な状況である。また、旋回時にはオートステアリングが作動しないため、自動走行が適わない。
4.開発の動機
GPS-Lineでは、上記の課題を解決するため、農作業者の負担が少なくなるよう簡便に効率的な走行ラインを自動作成し、既存のガイダンス機器に取り込み可能なファイル形式のデータを作成することとした。
<独自開発の特筆すべき技術特長、優位性>
GPS-Lineでは、次の流れで走行ラインを作成する。
➀圃場形状の取得(ガイダンス機器を作動させ、圃場外周を走行し、走行履歴を記録)(図3)。
➁農作業機器情報(車体長、最小旋回半径、作業幅)の登録(図4)。
➂走行ラインの自動作成(図5)。
➃作成されたラインの修正(必要に応じて)(図6)。
➄ガイダンス機器へのインポートファイルの作成
上記のように作成されるデータをガイダンスにインポートすることで、圃場別に最適な走行ラインを作成し、導入済みのガイダンス機器の利用効率が高まるものとなる。
応用
本ソフトウェアについては、別途、道路データを取り込み除排雪分野での利用も進めている。これは、道路幅に対して、除雪作業車が走行するラインをガイダンス機器に表示させ、これを確認しながら走行するものである。これにより、土地勘のないオペレーターでも、作業を実施することが可能となるだけでなく道路工作物の損壊も防ぐことができる。
今後の展開
GPS-Lineは現在、株式会社ニコン・トリンブル社製CFX-750のみに対応となっているが、今後は他社メーカにも対応可能となるよう改良を予定している。また、ガイダンスより取得される走行履歴も含む営農作業管理システムを開発中であり、農業者がいつ・どこで・どのような作業を行ったかを簡便に管理可能となる情報管理機能を提供する予定である。
<価格>
販売予定価格 80,000 円(税別)
※アップグレードおよび走行ライン作成対応を含む場合には別途保守契約が必要となります。
募集中!
GPSガイダンスをさらに有効にするため、皆さんから追加機能のアイデアを募集中です。
◆相談先
株式会社スマートリンク北海道
TEL:0126-33-4141
URL:http://www.smartlink-h.co.jp/
コメントを残す