光パターン形成ＬＥＤ照明「ホロライト・シリーズ」の開発・製造・販売を手掛けるパイフォトニクス株式会社）は、内閣府の「オープンイノベーションチャレンジ2019」および“デジタル・スマートシティ浜松”データ連携基盤を活用した実証実験プロジェクト「Hamamatsu ORI-Project」で実施した市街地におけるムクドリ被害対策テーマの成果を実用化した携帯型鳥獣対策用装置「ホロライト・チェッカーズ」を開発した。
本装置は、市松模様（チェッカーパターン）の光を高速に反転照射することにより、人間の目には刺激が少なく、目の応答性が高い鳥獣には刺激を与えて、特許出願済である光による追い払いを実現する。
ムクドリ以外にカラスやカモなどの鳥類やその他の獣類についても追い払いの有効性が確認されており、2021年4月1日から鳥獣による騒音や糞被害、農作物被害を受けている市町村や工場、農場向けに貸し出しサービスを開始する。
製品の概要
同社は小型軽量なキューブ型筐体から視認性の高い縦横25点のドット状光パターンを形成する「ホロライト・マトリクス」を製造、販売している。今回、それを改良し、市松模様（チェッカーパターン）の光を高速に反転照射している。
人間が知覚できない周期で点滅しているため、周囲にいる人間は不快ではなく、目の応答性の高い鳥獣は点滅して見えるので、光刺激を与えることができる。本製品は低消費電力であるために、バッテリーからの電力供給で持ち運びが可能となり、グリップにあるトリガーを引いて、簡単に遠方の狙った箇所へ光照射をすることができる。
携帯型鳥獣対策用ＬＥＤ照明「ホロライト・チェッカーズ」の概要
製品開発の経緯
同社が本社を置く浜松市では10年以上前から中心市街地に飛来するムクドリの集団による騒音被害、糞被害の対策に頭を悩ませていた。
2019年に内閣府の公募型企画「オープンイノベーションチャレンジ」において浜松市はムクドリ被害対策を社会課題のテーマとして募集し、当社が提案した「安心・安全・面白い・光を用いたムクドリ対策」が採択された。
同社は、過去に静岡県浜松市中区鍛冶町通りに集団で飛来するムクドリに高指向性LED照明「ホロライト」の光を照射してムクドリが飛び立つ様子を確認していた。本プロジェクトでは改良した携帯型のホロライトでムクドリを追い払う実験を行った。
2020年には、浜松市のデータ連携基盤を活用した実証実験プロジェクト「Hamamatsu ORI-Project」において「光と画像データを活用した中心市街地におけるムクドリ被害対策」が採択された。
本プロジェクトでは自動制御型のホロライトから光を照射してカメラで捉えたムクドリの動きを解析することでデータ分析を行う実験を行った。現場の追い払い業者の協力も得ながら、双方の実証実験を通じてムクドリ対策用のホロライトを開発した。
浜松市よりムクドリ対策の業務を受託した作業員からは、ムクドリの追い払い作業に絶大の効果があり、作業負荷の軽減につながるという報告が得られた。
これらの実証実験の様子は複数のメディアに取り上げられ、全国の自治体などから多数の問い合わせがあった。
佐賀県鹿島市ではカモの追い払い実証実験やカラスへの照射を行い、有効性を確認した。また、鳥に限らず一部の獣についても追い払いの有効性が確認されており、騒音や糞被害、農作物被害を受けている市町村や工場、農場向けに本製品の貸し出しサービスを開始することとした。
主な特長
1．無音・無臭・安全
光による追い払いは無侵襲で安全な対策を実現する。対策による騒音や異臭などの不快感を無くして住環境への影響を最小限に抑えることができる。
2．作業負担の軽減
貸し出しサービスには照明機材・電源アダプタ・ポータブル電源・専用リュックがセットになっており、準備の手間がかからず即応可能。また周囲への配慮および安全確保など作業者の肉体的・精神的負担を大幅に削減することができる。
3．遠方よりピンポイントで照射可能
ホロライトの特性を活かし、離れた場所からでも光が拡がらずに狙った場所のみを照らせるため、光害を最小限に抑えることが可能。
携帯型鳥獣対策用ＬＥＤ照明「ホロライト・チェッカーズ」
「ホロライト・チェッカーズ」使用イメージ
「ホロライト・チェッカーズ」によるムクドリ追い払いの様子
特設ページURL：https://www.piphotonics.com/casestudy/wildanimal/
◆問い合わせ
パイフォトニクス株式会社
TEL:053-581-9683 FAX:053-581-9684
E-mail: info@piphotonics.co.jp
https://www.piphotonics.com
あわせて読みたい記事
NB-IoTを活用した鳥獣罠センサーを日本で初めて開発し、伊那市で鳥獣被害の軽減に向けた実証事業を開始
未来のアグリ、鳥獣害対策のためのソーラーパネル・バッテリー一体型のセンサー付き電牧器S500を発売
ジビエ流通拡大に向けたトレーサビリティシステム「ジビエクラウド」を提供開始
狩猟・農業界から大反響！本気の罠猟コミック『罠ガール』！
鳥獣被害対策を行う「DMM Agri Innovation」事業開始
鳥獣被害対策事業を展開するDMM Agri Innovationが株式会社refactoryと業務提携を締結
DMM Agri Innovation、広島県立びんご運動公園で、デジタルテクノロジーを活用したイノシシ被害対策の実証実験を開始
システムフォレスト、飼料残量可視化サービス「SiloMANAGER」の導入で、残量だけでなく肥育ステージでの”匠の継承・人材育成”などSDGsへの取り組みにも貢献
コメントを残す