VRと ICTによる 農業 ITソリューション

3 次元バーチャルリアリティ(VR)の先駆者として、UC-win/Roadを中心に土木建設・自動車分野をはじめとした VR 市場を牽引してきたフォーラムエイト。「VR 元年」と言われた 2016 年を経てさらなる市場成長が期待される中で、3DVRシミュレーション技術の展開をますます加速させており、最近では VRを活用した農業 ITソリューションの研究・開発にも力を入れている。

“VR Design Studio UC-win/Road”の進化

2000 年に初版がリリースされ、2002 年 9 月には「ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤ ー」(経産省他後援)に選定されたUC-win/Roadは、バージョンアップの度に機能拡張を重ねてきた。

地理院タイルなどの地形オープンデータや点群データ(4 億点まで対応)を取り込んで効率的にモデリングすることができる UC-win/Roadは、特に 2017 年 2 月 28 日にリリースされた Ver.12での 64bitネイティブ対応以降、大規模データがスムーズに扱えるようになったことで広域な空間の構築がさらに容易になり、活用可能性が大きく飛躍した。

具体的には、400 × 200km(従来は20 × 20km 程度)といった長距離道路のシミュレーションや、津波・氾濫、風、音響など解析結果の長時間可視化も可能となり、地形空間の拡大と分解能力の向上に加えて、配置モデル数の拡大、高品質なテクスチャ、4GB 以上のメモリを有するモデルなどにも対応している。

最新版の Ver.13(2018 年 2 月リリース)では、設定した土工断面から生成した土工面と地形面から盛土・切土の体積を計算する「土量計算機能」の追加や、ヘッドマウンドディスプレイ、ドローンなどのデバイスとの連携強化が行われている。

また、自動車関連でも、ドライビングシミュレータ向けの各種機能を拡張し、自動運転をはじめとした研究・開発を強力に支援している。

UC-win/Road Ver.13

3DVRシミュレーション技術の活用

バーチャルリアリティ(VR)によるソリューションへのニーズは年々高まっており、当社では VRニーズの多様化に伴って提供サービスを拡大してきた。

VRをランドスケープや走行・交通シミュレーションなどに活用するソリューションでは、津波や河川の洪水、地震といった事象をシミュレーションすることで、災害対策やまちづくりの計画にも貢献しており、自動車・製造業界、教育、エンターテインメント、農業、医療など、様々な分野におけるさらなる市場拡大を視野に入れている。

土木設計分野では、図面作成・設計計算、構造解析、クラウドなどを連携させたソリューションによりフロントローディングを支援する「IM & VRソリューション」の提供を続けており、計画・設計などプロジェクトの上流段階で積極的に VRによるシミュレーションを利用することで、全体の無駄を省き建設コストのトータルな削減に貢献している。

このため、測量、設計、施工、維持管理まで一貫して対応できる BIM/CIMソフトと VRの統合やクラウドの活用、IoTとの連携システム構築に力を入れてきた。

このように、幅広いプロジェクトに適用することができ、多彩な拡張機能による各種 VRシステムの構築が行えるのが UC-win/Roadの強みであり、フォーラムエイトでは、VRおよび AI、IoT、ビッグデータなど ICTを積極的に活用してスマート農業を支援するソリューションの展開を視野に入れている。

農業ワールド 2017 への初出展

同社は 2017 年に、農業分野ではアジア最大規模である「第 7 回農業ワールド」(2017 年 10 月11 日~13 日、幕張メッセ)へ初出展を行った。

本展示会には、海外企業を含む過去最多 800 社が参加し、IT 農業、ドローン、植物工場など、日々進化する製品や技術が展示された。フォーラムエイトの出展分野は「次世代農業」。

農家、農協、参入検討企業からの来場者で賑わう中、同社ブースでは「VRで農業イノベーション~VR-Cloud®、AV、センシング、IoT~をテーマとして、UC-win/Roadを利用した VRトラクタシミュレータ、赤外線深度センサと UC-win/Roadを連携させたジェスチャインタフェイスによる VR 田植えシミュレーション、遠隔制御ドローンなど、各種デバイスと VRの連携システムが展示された。

UC-win/Road「3DVRを活用した農作物管理システム」

トラクタの自動運転はすでに実験が進んでいるものの、現在は直進走行のみということで、会場では、折返し時のマニュアル操作や予期せぬアクシデントへの安全対策といった声が聞かれた。

こういったニーズには、同社が長年ノウハウを蓄積してきたドライブシミュレータによる VRシミュレーションおよび自動運転支援技術の活用が考えられる。

また、遠方農地における作物管理の課題においても、UC-win/Roadとドローンの連携による自律飛行で、カメラによる生育確認や診断結果にもとづくピンポイントの農薬散布などといったシステムの提供が可能だ。

左上 IoTデバイス搭載 UAVの VR 遠隔制御による農場管理
右上:センシングを利用した VR 田植えシミュレータ
下 :地形フィジクスモデル対応の VRトラクタシミュレータ

VRプラットフォームの活用

フォーラムエイトは、VRシミュレーションデータのオープン化や共通基盤づくりの体制を官民挙げて推進する目的で本年設立された「北海道Virtual Reality(VR)協議会」への協賛を行っている。

6 月 27 日に札幌で同協会の発足記念セミナーが行われた際には、プラットフォーム整備により3D・VRデータを共有し、自動運転、ドローン、i-Construction、防災、観光、運輸、農業、除雪など、北海道が先駆的なモデル地域となって様々な分野での利活用が推進されることへの期待が、関係者や来場者から寄せられた。

⬆北海道 Virtual Reality(VR)協議会の様子

登壇した髙橋賢友氏(北海道経済連合会会長)や柳屋勝彦氏(国土交通省 大臣官房審議官)が触れていたように、北海道は農林水産業や観光などの重要な生産空間であり、政府としてもこれらを戦略的産業として支え育成していく方針が固められている。

こと農業においては、広大な地域を抱えながら人口減・後継者不足が先鋭化しており、様々なビッグデータを活用したシミュレーションによる効果的な生産戦略や、ICTを活用したスマート化が必要とされている。

プラットフォームの整備が進むことで、農業分野における 3DVR 技術の活用もより高度化・効率化することが期待されており、フォーラムエイトはこれらの取り組みを全面的に支援していく方針だ。

今後の展開

ドローンによる遠隔管理システムや、農業機械の自動運転シミュレーション、ビッグデータを利用した各種シミュレーション、クラウドによるモニタリングシステムなど、昨年に引き続きVR と IoTを活用して農業ITを支援する最新ソリューションを展示する予定だ。

◎価格
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注目ポイント!
フォーラムエイトは、土木・建築用 VRソフト開発の豊富な経験・実績から、VR 技術を基軸とした様々なシステムインテグレーション・受託開発を得意としており、パッケージソフトウェアをベースとした柔軟かつ安価なカスタマイズが可能です。

◆相談先
株式会社フォーラムエイト
E-mail:forum8@forum8.co.jp
URL:http://www.forum8.co.jp/

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