株式会社ルートレック・ネットワークスの開発、提供するAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」において、国内初の土耕栽培において施肥量を自動制御する「AI施肥制御機能」をリリースした。
概要
日本の農業経営体の内訳は、未だ97%が家族経営(個人経営体)の生産者であり、労力が限られる中、少ないリソースでいかに収益を上げていくか、ということを考えていく必要がある。
また農業年齢の高齢化等により、農業生産者1人あたりの経営面積は増加しており、省力化をしながら品質の高い栽培を実現する技術がより求められている※1。
農業における潅水および施肥技術は、これまで生産者の経験と勘により行われてきた部分も大きく、作物の収量や品質に大きく影響することから、省力化や技術習得がしづらい領域である。
ゼロアグリはこれまでAIによる潅水の自動化を提供してきましたが、施肥は、生産者が作物の状態を見ながら、自ら濃度を設定し運用する必要があった。
AI施肥制御機能(以下、本機能)では、生産者は土壌センサーで計測したEC※2の目標値を設定するだけで、ゼロアグリのAIが施肥量を自動で制御し供給をすることが可能になる。これにより、土耕栽培における環境制御の高度化/自動化による収益向上を実現する。
また、昨今では多施肥による地下水汚染や温暖化効果ガスの排出も課題となっているが、本機能を活用し必要最小限の施肥で栽培の最大化を行うことで、環境に優しい持続型の施設園芸栽培を実現する。
※1 2020年農業センサスより
※2 肥料の成分である硝酸体窒素の量を示す指標となるもの
導入生産者による実証結果
本機能をゼロアグリの導入をしている一部生産者に実際に使っていただき、作物の栽培管理の向上、および肥料の削減、作業の省力化に関して、効果があることを実証している。
栃木県トマト栽培生産者コメント(栽培面積70a/家族経営)
・増益のために、「美味しいトマトが高く売れる時期にECを上げて食味を増やそう」とか「いまトマトが安いから味を落としてでも肥料消費量を抑えよう」といった、農業経営におけるコントロールが可能になる点が魅力。
・肥料を節約したいときにECを低めに設定して使っている。現状の本音では肥料が高くて野菜が安いので肥料消費量を最小限に抑えたい。
広島県トマト栽培生産者コメント(栽培面積50a/家族経営)
・AI施肥制御機能の利用により、昨年比べ玉の肥大が良好になり、M玉よりL玉が増えた(単価の向上)。
・トマトの成長の波に合わせて欲しいタイミングで、手間なく肥料を与えられるようになったことが大きなメリットで、結果トマトの生育にも良い影響を与えられている。
ゼロアグリとは
センサー情報や気象情報を元に作物にとって最適な潅水量と施肥量をAIが判断し自動で供給することができる、IoT技術を活用した潅水施肥システムである。
自動化による大幅な省力化、潅水施肥の安定による作物の収量および品質の向上、減肥効果等の実現が可能である。2015年より国内外への本格出荷を開始し、現在全国の農家・農業試験場にて累計300台以上導入されている。
ゼロアグリ公式サイト:https://www.zero-agri.jp/
◆問い合わせ
株式会社ルートレック・ネットワークス
https://www.routrek.co.jp/
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