高性能AIシステム大規模採卵養鶏場の死亡鶏自動検出

はじめに

年毎に厳しさを増す労働人口減。中でも一層の人材難に悩まされる畜産農家にとって、単純作業の自動化は急務である。本システムはその中でも寡占化が顕著となっている鶏卵産業に着目し、巡回監視ロボットを構築したものの紹介となる。

開発の経緯

農場の大規模化が顕著な鶏卵産業において、近年では1鶏舎あたり10万羽を超えるものも増加している。その中で必須となる単純作業の代表が死亡鶏の巡回監視である。

写真1のように、国内では主に生まれた卵が自動でパッキング工場まで流れる仕組みが取られている。

写真 1 

その中で死んだ鶏が卵の流れを妨げることにより起こる生産効率減(腐敗卵流出等)を防ぐことが死亡鶏の巡回監視の主目的となる。その作業の必然性に対し、現実は写真2のように、作業員にとって決して負荷の低い作業とは言えず、自動化を望む声が業界では強く上がっていた。

写真 2 

本製品は、前述のような単純作業を自動化することによって生産性向上を図るためのものであり、1鶏舎数千ある鶏籠を確認するために数時間を要していた巡回作業を1%程度以下に削減する目標で開発した。

製品の特長

1)システム構成
走行ロボットにカメラを組み合わせ、取得した鶏籠の画像をサーバPCへ転送、AIによる判別を行い、判定結果を作業員へ通知するという仕組みを構築。

大規模ともなると数キロの歩行巡回が必要であったが、死亡通知箇所への移動のみとすることにより労力を大幅軽減。開発当初は80%程度であった検出率を、機械学習技術の向上等により数千箇所の点検作業負荷を1%程度以下に低減できる見込みとなった(図1)。

図 1 

2)死亡鶏検知方法(図2)
生存画像を複数パターン取得し、コンピュータに学習させる。コンピュータが生存を認識できるようになるまで学習する(⇒生存鶏学習)。次にさまざまな死亡鶏画像を複数パターン取得し、上記同様に学習を行う(⇒死亡鶏学習)。

形状・色彩等の特徴抽出など学習手法(どのような特徴を学習させるか)が本システムのコア技術であり、今後さまざまな転用・応用を見込む。

図 2 

今後の動向

今後は幅広い農家様が活用いただけるモデル構築に向け低コスト化を推進し、まずは中~大規模農家で使用いただき採算性を証明していく流れとなる。

◉価 格
1,500 万円(環境条件により金額は異なります)

注目ポイント !
AI・IoT・走行ロボットの組み合わせによる希少な導入実例。本要素技術の応用からこれまでの不可能を可能にします。

◆相談先
大豊産業株式会社
TEL:087-811-4567
E-mail:info@taihos.co.jp
http://www.taihos.co.jp/

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